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更新日:2023年12月8日

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次の世代に伝えたい
うるまの

黄金言葉集

黄金のように価値のある大切な教え、それが黄金言葉(くがにくとぅば)です。古くから伝わるうちなーぐち(沖縄方言)のことわざである黄金言葉は、今を生きる私たちだけでなく、次の世代の子どもたちが生きる道しるべとなるものです。沖縄で暮らす人々の広く温かい心と知恵、ときに風刺や笑いが詰まった黄金言葉をご紹介します。

うちなーぐち監修:神谷 幸一氏

うるま市の津堅島出身で、島唄文化の育成と保存、継承発展に尽力。うるま市市制5周年を記念して誕生した「うるま市市民音頭」の制作にも携わる。長年にわたる沖縄文化の振興に関する顕著な功績をたたえ、令和5年度に沖縄県より文化功労者表彰を受賞。

うるまの黄金言葉

  1. 朝寝坊(あさに)は貧乏(ひんすー) 昼寝(ひるに)は病気(やんめー)
  2. 慌(あわ)てぃーる中(なーか) よーんなー
  3. 容姿(かーぎ)や皮(かわ)どぅやる 肝心第一(ちむぐくるでーいち)
  4. 亀(かーみ)ぬ甲(くー)やか 年(とぅし)ぬ功(くー)
  5. 片手(かたてぃー)さーねー 音(うとぅ)ー出(ん)じらん
  6. 木(きー)ぬ曲(ま)がえー使(ちかー)りーしが 人(ちゅ)ぬ曲(ま)がえー使(ちかー)らん
  7. 言葉(くとぅば) 銭(じん)じけぇー
  8. 慶良間(けらまー)見(みぃ)しが まちげー見(みー)らん
  9. 縄(ちな)の余(あま)いや使(ちか)りーしが 言葉(くとぅば)の余(あま)いや使(ちかー)らん
  10. 人(ちゅ)ぬ為(たみー)や 我(わん)為(たみー)
  11. 十本(とぅー)ぬ指(いびー)や 同丈(いぬたきー)や無(ね)ぇらん
  12. 嘘物言(ゆくしむにー)や  盗人(ぬすどぅ)ぬ 始(はじ)まい
  13. 家習(やーなれー)る 外習(ふかなれー)
  14. 実(みー)入(いり)ら 首(くび)折(う)りり
  15. ちゅいしーじ
  16. 若(わか)さる 時(とぅち)ぬ 難儀(なんじ)ぇー 買(こう)てぃんしー
  17. 港口(んなとぅぐち)んじぇ 船(ふに)わてぇ ならん
  18. 孫(んま)がー 目(み)ーんかい 入(い)ってぃん 痛(や)まん
  19. 天(てぃん)ぬ 星(ふし)ん むてぃくぃん
  20. 言(い)いばっぺーねー 聞(ち)ち直(のう)し
  21. あんだぐちゃーや 気(き)ぃちきりよー
  22. 人(ちゅ)ぬ 恩(うん)じぇ 忘(わ)してぇ ならん
  23. 墨(しめ)ぇー 知(し)っちん むのー 知(し)らん

1.朝寝坊(あさに)は貧乏(ひんすー) 昼寝(ひるに)は病気(やんめー)

あさにはひんすー ひるにはやんめー

「朝寝坊は貧乏のもと、昼寝は病気のもと」って

意味・背景

朝寝坊は貧乏のもと 昼寝ばかりしているのも体に良くない。

2.慌(あわ)てぃーる中(なーか) よーんなー

あわてぃーるなーか よーんなー

「慌てるとよくない」って

意味・背景

急いで慌てるとよくないという意味。

3.容姿(かーぎ)や皮(かわ)どぅやる 肝心第一(ちむぐくるでーいち)

かーぎやかわどぅやる ちむぐくるでーいち

「外見じゃなくて、内面が一番」って

意味・背景

容姿は皮であり、心が第一。
どんなに外見を取り繕っても人間の価値は容姿ではなく内面である、という意。

4.亀(かーみ)ぬ甲(くー)やか 年(とぅし)ぬ功(くー)

かーみぬくーやか とぅしぬくー

「亀の甲より年の功」って

意味・背景

苦難を体験したお年寄りの知恵は貴重なので、オジー・オバーを大切に。

5.片手(かたてぃー)さーねー 音(うとぅ)ー出(ん)じらん

かたてぃーさーねー うとぅーんじらん

「片手だと拍手できない」って

意味・背景

手がひとつでは、拍手はできず音がでないという例え。
それと同じように何事も周りと協力する事で初めて成功したり、もしくは一人で行うよりも、物事はより上手くいくという教え。

6.木(きー)ぬ曲(ま)がえー使(ちかー)りーしが 人(ちゅ)ぬ曲(ま)がえー使(ちかー)らん

きーぬまがえーちかーりーしが ちゅぬまがえーちかーらん

「曲がった木は使えるけど、曲がった人は使えない」って

意味・背景

木の曲りは使えるが 人の曲がったのは使えない
木は曲がっていても、何かに使いようがあるが、曲がった人は使い物にならないという意。
人は素直でないと仕事を頼むこともできない。だから人の言葉は素直に受け止めなさいという教え。

7.言葉(くとぅば) 銭(じん)じけぇー

くとぅば じんじけぇー

「言葉はお金と一緒」って

意味・背景

言葉の使い方はお金を使うように大切。

8.慶良間(けらまー)見(みぃ)しが まちげー見(みー)らん

けらまーみぃしが まちげーみーらん

「遠く(の慶良間島)は見えても、近くは見えない」って

意味・背景

遠くにある慶良間(けらま)島は見えても、自分の足元にはなかなか気づかない。

9.縄(ちな)の余(あま)いや使(ちか)りーしが 言葉(くとぅば)の余(あま)いや使(ちかー)らん

ちなのあまいやちかりーしが くとぅばのあまいやちかーらん

「余った縄は使えても、余計な言葉は使えない」って

意味・背景

物を縛って余った縄は使うことができるけど、余った言葉は使えない。言葉を言い過ぎてしまわないように、という戒めの意味がある。

10.人(ちゅ)ぬ為(たみー)や 我(わん)為(たみー)

ちゅぬたみーや わんたみー

「人の為にやったことは、自分の為にもなる」って

意味・背景

人の為にする事は後々自分の為になる。

11.十本(とぅー)ぬ指(いびー)や 同丈(いぬたきー)や無(ね)ぇらん

とぅーぬいびーや いぬたきーやねぇらん

「10本の指はみんな高さがちがう」って

意味・背景

十の指は同じ高さはない
十本の指の高さが同じでないように、人も十人いれば顔や形も違うしそれぞれ個性や価値観があるという例え。

12.嘘物言(ゆくしむにー)や  盗人(ぬすどぅ)ぬ 始(はじ)まい

ゆくしむにーや  ぬすどぅぬ はじまい

「嘘つきは盗人のはじまり」って

意味・背景

嘘をつくことは盗人のはじまり
嘘をつくのは泥棒のはじまりという意味。

13.家習(やーなれー)る 外習(ふかなれー)

やーなれーる ふかなれー

「家の中の習慣は外でも出てしまう」って

意味・背景

家の行いが外に出た時の行動に表れるという意味。
付け焼き刃で上品に振る舞ってもすぐにボロが出るのだから、家にいる時こそしっかりしなさいよ〜!ということで、子供のしつけによく使われる言葉。

14.実(みー)入(いり)ら 首(くび)折(う)りり

みーいりら くびうりり

「実るほど頭が下がる稲穂かな」って

意味・背景

偉くなる程、人様に頭を下げる(謙虚になれ)
実がつくほど、稲穂が頭を下げるように、人間も実力がついて、偉くなるほど頭を下げ謙遜せよ、けっして威張ってはいけない。という教訓。

15.ちゅいしーじ

ちゅいしーじ

「助け合い」って

意味・背景

いつの時代も助け合いが大切

16.若(わか)さる 時(とぅち)ぬ 難儀(なんじ)ぇー 買(こう)てぃんしー

わかさるとぅちぬ なんじぇーこうてぃんしー

「若い時の苦労は買ってでもしよう」って

意味・背景

若い時の苦労は買ってでもしよう。苦は幸せのはじまり
若いうちの苦労は、逃げずに喜んでやりなさい。それが自分の成長へと繋がる。という事。

17.港口(んなとぅぐち)んじぇ 船(ふに)わてぇ ならん

んなとぅぐちんじぇ ふにわてぇ ならん

「船がついたからといって油断すると危ない」って

意味・背景

港では、船が岸についたからといって油断すると、ぶつかったり落ちたりするから危ない。最後まで気を抜いてはいけないという事。

18.孫(んま)がー 目(み)ーんかい 入(い)ってぃん 痛(や)まん

んまがーみーんかい いってぃんやまん

「孫は目に入れても痛くない」って

意味・背景

孫は目に入れても痛くない。孫を溺愛する気持ち

19.天(てぃん)ぬ 星(ふし)ん むてぃくぃん

てぃんぬ ふしん むてぃくぃん

「天の星を取ってあげたい」って

意味・背景

天の星を取って差し上げたい

20.言(い)いばっぺーねー 聞(ち)ち直(のう)し

いいばっぺーねー ちちのうし

「相手が言い間違えたら聞き直そう」って

意味・背景

言い間違えたら聞き直す
相手がもし言い間違えた場合は、追及するのではなく、聞き返せば相手も自分の間違いに気付き、万事うまくいくという例え

21.あんだぐちゃーや 気(き)ぃちきりよー

あんだぐちゃーや きぃちきりよー

「お世辞には気をつけて」って

意味・背景

お世辞のうまい人には気をつけなさい

22.人(ちゅ)ぬ 恩(うん)じぇ 忘(わ)してぇ ならん

ちゅぬ うんじぇ わしてぇ ならん

「人の恩は忘れてはいけない」って

意味・背景

自分の恩は忘れても、人からの恩は忘れてはいけない

23.墨(しめ)ぇー 知(し)っちん むのー 知(し)らん

しめぇーしっちん むのーしらん

「勉強はできても世間知らず」って

意味・背景

学問はあっても世間知らず
学問は積んで学歴があっても世の中の道理や礼儀を知らない人の事。

またやーたい!

またねー!