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更新日:2023年12月8日

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離島エリア

与勝半島の東南に位置する離島エリア。旧与那城町に属しており、海中道路で結ばれている平安座島、浜比嘉島、宮城島、伊計島の4島と、平敷屋漁港からフェリーで約30分の津堅島の5つの有人島があります。

1972年に開通した約5kmの海中道路は地域住民の生活道路であり、伊計大橋(1982年)、藪地大橋(1985年)の開通と合わせて、島々の交通の便が飛躍的に向上されました。各島には独自の産業や文化、慣習が根付いており、古くからの伝統行事も数多く残されています。

農業、漁業も盛んで、特産品として津堅島のにんじん、伊計島の黄金芋、小麦などが知られています。一方、コバルトブルーのビーチでは数々のマリンアクティビティが楽しめ、多くの観光客でにぎわいます。

離島エリア わがまち再発見

海中道路

1972年に完成した海中道路は2022年、開通50年を迎えました。全長約5kmの海中道路は青い海に囲まれた人気のドライブコースですが、その背景には平安座島住民の悲願と努力があります。

道路ができる以前の沖縄本島との交通手段は、干潮時に浅瀬を歩いて渡る「潮川渡い(スーカーワタイ)」か、満潮時に利用する渡し船でした。干満の状況を知らず数名の犠牲者が出たこともあり、平安座島の住民は、自らの力で海中道路の基礎工事を始めました。一人ひとりが石を運び、積み上げる地道な作業を続けましたが、台風による波に流され損壊してしまいます。しかし、住民はあきらめず施工方法を再検討し工事を再開、全長210メートルのコンクリート製の海中道路を建設しました。その後、アメリカのガルフ社の出資により建設工事が着工、本島と平安座島は陸続きとなりました。

離島地域の「世開け」の道路として建設された海中道路。中央部にある海の駅「あやはし館」にはうるま市立海の文化資料館があり、琉球王国の時代から伝わるマーラン船にまつわる資料を展示。海と生きるうるまの先人たちの知恵と暮らしを垣間見ることができます。

浜比嘉島/平安座島/宮城島/伊計島/津堅島

うるま市には10の島々があり、このうち平安座島、宮城島、浜比嘉島、伊計島、津堅島の5島が有人島です。平安座島、宮城島、浜比嘉島、伊計島は海中道路と橋によって本島と結ばれており、津堅島へのアクセスは海上交通のみとなっています。

本島と島しょ地域を結ぶ玄関口である平安座島は、沖縄の伝統的な船であるマーラー船による交易の拠点として、琉球王国時代から栄えていました。現在の産業は石油備蓄基地と漁業関連が中心で、古くから開拓心にあふれた住民によって島が開かれてきました。

宮城島は島しょ地域最大の島で、イーバルと呼ばれる高台が島の面積の約半分を占め、広大な耕地が造成されています。桃原、上原、宮城、池味の4つの集落があり、集落のあちこちに民俗文化財や遺跡、井泉などがあり、ハーリー、ウシデークなどの伝統行事が行われています。

伊計島は島しょ地域のいちばん東側にあり、宮城島と真っ赤な伊計大橋で結ばれています。島の8割以上が農地で、伊計ビーチをはじめ沖縄屈指の透明度の高いビーチでも知られています。2000年から2500年ほど前の縄文時代の竪穴式住居が発見された仲原遺跡やグスク時代に築かれた伊計グスクなどの遺跡もあります。

浜比嘉島は浜と比嘉の2つの集落があり、第1次産業は農業と漁業です。兼久のニンニクや島らっきょう、モズクの養殖などが有名です。「創生神話の島」といわれ、琉球を創生したとされるアマミチュー、シルミチューが天から降りて暮らした島とされています。

勝連半島の南東約5kmの沖合に位置する津堅島は「キャロットアイランド」といわれ、津堅ニンジンの産地として知られています。近年は生産農家の高齢化や担い手不足などから耕作されていなかった農地を活用し、新たな産業として小麦の栽培にも取り組んでいます。

御嶽・パワースポット

市内各所にある御嶽ですが、その歴史は琉球王国の時代にさかのぼります。琉球信仰における聖域である御嶽は沖縄の各集落に必ずあったもので、おもに集落の守護神である祖霊神が祀られています。旧正月や旧盆などの年間行事の際には、カミンチュ、またはノロといわれる女性が神事を司り、集落の繁栄や住民の健康祈願、子孫繁栄をはじめ、豊作、豊漁の豊年祈願などが行われてきました。

ノロは世襲制で、民間の女性霊媒師(シャーマン)であるユタが修行を経てなるのとは違い、血縁関係が近い女性に受け継がれることから、血縁が途絶え、後継者がいなくなってしまった地域もあります。うるま市には古くからの民俗芸能や伝統行事が多く残されていますが、島しょ地域はその趣はさらに色濃くなっています。宮城島で旧暦8月15日に行われる「ウシデーク」は、集落の女性が集落の繁栄を祈願する奉納舞踊で、市の無形民俗文化財に指定されています。

浜比嘉島では、聖地であるアマミチューの墓とシルミチューで旧正月の年頭拝みが行われます。ノロや旧家の有志たちによる祈願が行われ、島の子どもたちも踊りを奉納します。浜比嘉島には30以上の民俗文化財と13の井泉、19の遺跡が残されており、琉球民族の祖霊神であるアマミチュー、シルミチューが降臨し、子孫を増やしたといわれる神話も伝わることから、「神の島」「パワースポット」としても注目されています。