ここから本文です。
海中道路周辺海域自然環境再生事業について
事業名
海中道路周辺海域自然環境再生事業
事業の目的
うるま市は、北部には標高204mの石川岳がそびえ、山麓は東側に緩やかに傾斜して台地、低地、金武湾へと続く丘陵地から海までの多様な地形が域内に凝縮されており、このような地形を基盤とした多種多様な自然環境を有している。
その中でも、海中道路及びその周辺海域は、本島と、沖縄の原風景を残す島しょ地域とを結ぶ玄関口であり、県内有数のドライブコース・サイクリングコース、更にはカイトサーフィンやシーカヤック等の海洋レジャースポーツの拠点として認知され、年間をとおし市内外から訪れる観光客で大きな賑わいを見せており、本市における地域資源を活用した観光振興施策の「重点プロジェクト」の一つとして位置付けられています。
かつて、海中道路周辺海域は約1,272ヘクタールにもおよぶ沖縄島最大級の干潟を有し、干潮時に平安座島から本島へ徒歩で渡るスーカーワタイ(潮溜まりなどの潟歩き)や、干潟環境を利用した独特な漁法が行われるなど、人々は自然環境と共に生きる生活を長年にわたり営なんできました。
1972年、かねてより島民の悲願であった海中道路の建設(埋立)にともない、本島と島を結ぶ交通手段は、徒歩や渡船から自動車へと劇的に変化を遂げましたが、その一方、潮流の大きな変化による漂着ごみの滞留や堆積した海藻の腐敗、生活雑排水の流入等により、特に海中道路入口(以下「対象区域」という。)における悪臭発生等の自然環境悪化がみられるようになり、本市の環境保全施策の大きな課題となっています。
本事業は、令和元年7月、沖縄県が、自然環境再生事業の取り組みを全県的に展開していくことを目的に創設した「沖縄県自然環境再生支援事業補助金」を活用し実施するものであり、市が主体となって、「沖縄県自然環境再生指針(平成27年3月)」に沿った対象区域を含む海中道路周辺海域の「自然環境の再生・維持・活用」及び自然環境再生後の利活用をとおした地域活性化を推進することを目的に、令和元年度から令和3年度の3年間を事業期間とし、実施するものであります。
令和元年12月に設置した地域住民の皆さまを中心とする「海中道路周辺海域自然環境再生協議会」におけるご意見等を踏まえながら、関係機関とも連携を図り、海中道路周辺海域の自然環境再生に向け、効率的・効果的な事業を展開してまいります。
自然再生のイメージ
本事業で目標とする自然再生は、海中道路の建設前の環境を目指すのではなく、現状の環境について物理環境(潮流や干潟材料など)と、その上に成立する生物相を把握し、生物多様性を向上させるためには、どのような対策を行うのかを検討してまいります。
【整理をしていく取り組み方針】
- 1.水質改善のための取り組み
- 1.住民意識の向上
- 2.排出汚濁負荷量の絶対量の削減
- 3.海域や河川で実施する対策
- 4.汚水処理施設の整備と活用促進
- 2.生態系の保全のための取り組み
- 1.生態系の調査・把握・広報
- 2.特定外来生物等の駆除・抑制と動向調査
- 3.在来種・固有種の保全・再生活動
- 3.親水性の向上のための取り組み
- 1.干潟とふれ合う機会を増やすための施設の整備
- 2.イベント・レクリエーション等の開催
- 3.自然の保全・再生活動の実施
- 4.体験教室、課外授業等の開催
- 5.地域内外の人を呼び込むための積極的な情報発信
- 4.地域の協働関係の構築のための取り組み
- 1.管理団体の育成及び活動
- 2.役割分担の明確化
- 3.人材の育成
- 4.コミュニケーションの深化・活発化
海中道路のシンボル平安座海中大橋
生活排水の流入等による悪臭発生箇所
底質は固く硫黄化合物の蓄積もみられる
自然再生の基本理念
きらめく青い海と豊かな自然環境に抱かれる、未来に伸びゆく海中道路の水辺をめざして
海中道路周辺海域と海中道路は、うるま市の代表的な景観となっているだけではなく、全国から来訪する観光客にも認知度が高く、県内の代表的な海域といえます。
近年の生活様式や潮流の変化により失われつつある自然環境を取り戻し、劣化させることなく次世代に引き継いでいくことが重要であり、その具体的な取り組みとして自然環境再生事業を推進してまいります。
事業内容
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 |
---|---|---|
|
|
|
成果物
令和元年度
- 令和元年度海中道路周辺海域自然環境再生事業(全体構想等策定支援業務)報告書(令和2年2月)(PDF:21,230KB)
- 海中道路周辺海域自然再生全体構想(令和2年2月)(PDF:22,750KB)
- 海中道路周辺海域自然再生実施計画【骨子案】(令和2年2月)(PDF:5,659KB)
令和2年度
- 令和2年度海中道路周辺海域自然環境再生事業(再生の取組に係る業務)報告書(令和3年2月)(PDF:41,060KB)
- 海中道路周辺海域自然再生実施計画(案)(PDF:6,274KB)
- ニュースレター
- 自然再生周知看板(設置場所:海中道路ロードパーク内)(JPG:361KB)
令和3年度
- 令和3年度海中道路周辺海域自然環境再生事業(再生の取組に係る業務)報告書(令和4年2月)(PDF:26,021KB)
- 海中道路周辺海域自然再生実施計画(令和4年2月)(PDF:13,731KB)
- 住民協働型モニタリングレポート(令和3年10月実施)(PDF:2,806KB)
- 住民協働型モニタリングマニュアル(PDF:2,416KB)
地域の取り組みのご紹介
海中道路からほど近い、うるま市立与那城小学校(外部サイトへリンク)では、「よなしろ探検隊!ふるさとの自然・文化に触れ、ふるさとの良さを考えよう」をテーマに総合的な学習に取り組んでいます。
【第5学年テーマ】
稲作体験・エイサー体験・ふるさとの海を見つめて等
◎目標
自ら課題を見つけ、解決に向けて主体的に活動し、まとめて発表し、情報を発信する力を育てる。
5年生の子供たちは、ふるさとの海について、自分たちができることを話し合い、令和2年3月17日(火曜日)に、学年児童によるビーチクリーンを実施いたしました。
穏やかな陽気の中、なぜ海は青いのか、なぜそこにゴミが落ちているのかを考えながら、浜辺をきれいにしていく子供たちの笑顔が印象的でした。
お疲れさまでした。
与那城小学校5年生の皆さんによるビーチクリーンの様子
海ごみについて
日本財団は、国民の一人ひとりが海洋ごみの問題を”自分事”化し、「これ以上、海にごみを出さない。」という社会全体の意識を高めるため、産官学民が協力しあう取り組み「CHANGEFORTHEBLUE」を推進しており、その中で、プロジェクト・イッカクは、機動力の高いベンチャー企業を主体とし、海ごみの削減に繋がる新しいビジネスの創出を目指すものとなっています。
その一環として、日本ユニシス(株)では、2018年から定点IoTカメラ”KAKAXI"を日本全国に設置し、海洋漂着ごみの定点観測を実施。沿岸部のごみ漂着状況(分布やごみの種別)の見える化を図っています。
市ではこの取り組みと連携し、令和3年8月中旬〜11月下旬の約4ヶ月間、対象区域において漂着ゴミの変容について定点観測を実施、映像データ(タイムラプス)を提供いただきました。
タイムラプス映像 2021.08~2021.11
関連リンク
お問合せ先
〒904-2292 うるま市みどり町一丁目1番1号
うるま市役所市民部環境課環境保全係
Tel:098-973-5594(直通)/Fax:098-973-6065(直通)
お問い合わせ先